ヒューマンインターフェースの評価方法
ヒューマンインターフェースについて勉強する機会があったのでメモ。
元の内容はもう少し色々あって、マウスが関節入力でどうとかあったんだけど
主に設計と評価のところが面白かったからそこだけ。
以前在籍してた研究室だと、ヒューマンインターフェースの研究(?)も行われてたけど、評価の正当性が分からなくて発表がいっつもふわふわしてた。
この辺の知識で理論武装してふわふわしないかもしれない。
デザインの原則
ヒューマンインターフェースのデザイン原則にしたがって作られなければならない。
原則はいくつかあって有名なのは、次の2つ。
D.A.ノーマンの「よいデザインの4原則」
シュナイダーマンの8原則
- 一貫性をもたせる
- 近道を用意する
- フィードバックの提供
- 逆操作が許容される:戻れる
- 達成感を与える
- エラー処理の簡単化
- 主体的な制御権の提供
- 短期記憶に頼らない
あと、ユーザビリティの有名な原則もある。
ニールセンのユーザビリティ・ヒューリスティックスの10原則
シンプルで自然な対話:不必要な情報が含まれてはいけない。
利用者の言葉を使う:利用者になじみ深い表現を使え。
利用者の記憶負荷を最小限に
一貫性を保つ:同じものを表現するのに、異なる用語、状態、動作を用いてはならない。
フィードバックを提供する:適切なフィードバックを適当なタイミングで提供する。
出口を明らかにする:不適切な状態から脱出するための出口を用意する。
ショートカットを提供する
良いエラーメッセージ:わかりやすく正確に、解決法を示唆するものである必要がある。
エラーを防ぐ:利用者のエラーを未然に防ぐようにする。
ヘルプとドキュメント:検索が容易で、操作のための手順が利用者作業の視点から記述され、かつ簡潔。
おおいに被ってる。
この辺を設計方針と評価方針にしたらいいのかな、多分。
モデリング
人間の知覚判断解釈などのはたらきをモデリングしてデザインの設計や評価に役立てる。
メンタル・モデル
人が心描いている、機械はこういう風にしたらこう動くだろうというモデル。
利用者のメンタル・モデルと提供者のモデルがある。
デザインを成功させるには、機械のデザインを利用者のメンタル・モデルに合わせるか、提供者のモデルを正確に伝える必要がある。
ヒューマンエラーの分類
- スリップ
操作間違い、動作の意図は正しいのに行為で間違える。適切な注意喚起が必要 - ラプス
するべき動作を忘れる。現在の動作が何かを示す、履歴が必要 - ミステーク
行動の計画自体が間違っている - 違反
機械やシステムの仕様にそぐわない行為をすること。
ノーマンの7段階モデル
人の行為を7つの段階に分けて、どのレベルでエラーが起こったかを判定するもの
- 動作の目標
- 目標を達成するための動作の意図
- 行為系列の形成(意図を実現するための手順の確立)
- 順に実行する
- 行動による結果を知覚する
- 知覚した結果を解釈する
- 目標が達成されたかを評価する
操作の仕方がよくわからない=> 行為系列の形成が失敗してる
操作を間違ってしまう=>実行で失敗してる
結果を見逃す=>知覚で失敗してる
ノーマン氏の『誰のためのデザイン?』は名著らしい。読む気はない。
他モデル色々
重要な概念らしいが具体的にどう使うのかはわからない。
- モデルヒューマンプロセッサ
人間の動作において機械に必要な行動の予測に関する部分だけを取り出してモデル化したもの。
感情方法入力->処理->運動系に対する出力指示。
作業効率や、認知にかかる負担などの指標を、定量的・客観的に説明したり予測したりすることに役立つ - SRKモデル
人間の行動をスキルベース、ルールベース、知識ベースと階層で区別する。
それぞれの階層に応じて異なるエラーのタイプがあるとする。
デザイン設計の進め方=デザインプロセス
ウォーターフォールモデル
工程を頭から順番に進めていくやつ
大きなシステムを全体からデザインするのに適する
具体的に検証できるのが遅くなって修正が遅くなるデメリット
プロトタイピングモデル
プロトタイプを作って検証しながら工程をすすめていくやつ
製品の問題点を早く見つけて修正できるメリット
プロトタイプを適当に作りすぎると目標がおろそかになるデメリット
どっちかってことは無くて組み合わせて使う。
(全体はウォーターフォールで部分的にプロトタイピング)
デザインの評価
客観的な評価と主観的な評価
客観的な評価の例
- 目的の達成に要する時間
- 達成の正確さ
- 達成に必要なスキルを体得する時間
- 獲得したスキルを持続できる時間
主観的な評価の例
- 見やすさ
- わかりやすさ
客観的な評価は、実際に数値を計測する。
主観的な評価は、評価に段階をつけて点数をマッピングする。
例えば、とても良い(5)〜とても悪い(0)など。
設定尺度法という。
評価方法
インスペクション法
デザイン初期段階でやるやつ。
熟練テスターが仕様書などをみてユーザビリティを検査する。
次の2つのタイプがある。
- ヒューリスティック法
仕様書みながら、テスターが経験則で問題みつけていく。
効率よく問題を発見できて、仕様書があれば手早く低コストで発見できる。 - ウォークスルー法
利用者の行動軌跡を推定したチェックリストを用意した上で製品の操作手順をチェックしながらヒューリスティック法
ユーザビリティテスティング
利用者に近い立場から、あるいは実際の利用者に製品を使わせる。
使用状況を観察して使い勝手を調査する。
開発中期以降にプロトタイプモデルを用いて実施する。
人数は5名程度で十分(なのが研究でわかってるらしい。ソースは不明)。ただしテストは複数回する。
心理学的実験法
ユーザビリティテスティングの前後において、インターフェースに対して仮説を立ててテスターの作業結果から仮設の検証をする。
ちなみに、被験者数は5人で十分らしい。
そのかわり、5人を使って複数のテストを行わなければならない。
サークルのメンバーを動員して20人とかで実験しなくていい。
ツール
ロギングツール
どこをクリックされたか記録したりするやつ
まとめ
被験者は、最低5人でいい。サークルからかき集めなくていい。
デザインの原則は、ある。オリジナル項目を捏造しなくていい。